iPhoneX(A1902) 落下によりタッチが効かなくなった端末の復旧

こんにちは、基板復旧サービス担当の佐藤です。
今回はiPhoneXのタッチが効かない端末の復旧をご紹介いたします。

こちらの本体、画面は点くもののタッチが全く効かないとの事でお預かりました。

先ずは症状の確認です。一旦バッテリーを外し、外部電源にて起動させます。
ご指摘通り全くタッチが効きません。
テスト用のパネルに付け換えても症状は変わらず、基板側の回路故障でほぼ間違いありません。
早速、本体から基板を取り出します。

お客様の申告によるとおおよそ2mくらいの所から落としてしまい、それ以降全くタッチが効かなくなったとの事です。

タッチに関するコネクターを顕微鏡でくまなく調査しましたが、特に剥離したような跡はありません。
今度はコネクターのピンを一つずつテスターを使い調べて行くと、本来通電しているべきところが
複数個所で断線状態になっておりました。

iPhoneX以降の基板は2枚の薄い基板が「接続部」によってつながったサンドイッチ構造になっており、
コネクターピンから接続部(上側基板の端)までの導通を調べても断線箇所は見つかりませんでした。
そうすると、サンドイッチの内部を見るためには、次の写真のように基板を熱で分離をする必要があります。

タッチを制御するICチップは上側基板の裏面についているため、まずはICチップの出力ピンから接続部までの導通を見ていきますが、ここでも異常は見つかりませんでした。

そこで、基板の接合部分を確認すると、数か所に於いて、パターンの剥離跡が見つかりました。

このはく離した所が今回の不具合の原因だったようです。
剥離したパターンを全て綺麗に取り除き、半田ボールをならしてから基板同士を再接合していきます。

先の写真でもご確認いただけますが、上下で接合するピンの数が恐ろしく多く、
一つでも接続不具合が有ると正常に動作してくれなくなるため、
通常の半田付け作業以上に緊張感が出てきます。

接合部の浮きや、位置ズレといった事は無く綺麗に接合出来ました。
基板を分離する前にコネクターの導通を見ておりましたので、先の不具合個所との照合です。
先にオープンしていた箇所も正常に接続されましたので基板単品とパネルを付けて試運転です。

起動時のリンゴが表示されパスコード入力画面まで行き、ここでタッチの動作確認です。

無事タッチが効く事を確認して本体への組み戻していきます。

バッテリーも100%まで充電でき、同時にライトニングケーブルを差し込んでからの起動も、順調に作業が進んでいきました。
今回は原因が落下でしたので、ご指摘の症状以外の不具合もなかったのでこれにて修理完了。

iPhoneX以降同様の症状が多く見られます。
その大部分が何らかの衝撃があったとのことですので、
もし似た症状があった際はFIREBIRDまでお申し付けください。

タッチパネル復旧

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