こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。
本日ご紹介するのは、使用中に本体が異様に発熱し、
その後起動出来なくなったお客様からのご依頼です。
街の修理屋さんで基板に問題があるとの診断とのことでした。
機種はiPhoneXで、初めてiPhoneに有機ELディスプレイが搭載された機種です。
約3年前に登場したこちらの機種は外観だけだと最新機種と見分けも付きにくく、
現役で多くの方がお使いかと思います。
さて、以前に比べてスマホの買い替えサイクルも伸びており、
3年以上は普通にお使いになられるうえ、旧機種ですと
当店ではiPhone5sのご依頼も稀にいただいております。
話を修理に戻しましょう。
こちらがiPhoneの内部を確認しましたが、特にバッテリーの膨張もなく、
水没をされたような形跡もございませんでした。
普段、皆さんもiPhoneを使っていると温かくなることはあるかと思います。
それは、計算処理を担う基板のメインであるCPUが電力を消費することによって、
発熱が起こるためです。
その場所はといいますと、黄色〇で囲った部分、
おおよそリアカメラの下辺りを中心に温かくなるかと思います。
表現の問題にもなってきますが、「温かい」というのは正常ですが、
「熱くなる」というのはどこかに異常が出ている可能性があります。
サーモを使って具体的に調べますと、おおよそ人肌程度(約36℃)を
境にそれよりも温度が上がった時に熱いと感じます。
今回のケースでは、基板回路上のコイルチップと呼ばれる部品がショートを起こしており、
大電流が発生していました。
当ブログでも度々登場しているので、定期的にご覧いただいている方にはもう同じみですが、零点数ミリメートルの小さな小さなチップにあのパンを焼くトースター並みの
電流が流れるとかなりの高温になります。
そのチップから出た熱(温度)が基板を伝い、背面のガラスに拡散し、
操作している人の手に熱いと伝わるのです。
そして、その状態をしばらく放置していると、
部品そのものが耐えきれなくなり、シャットダウンしてしまったと思われます。
こちら、無事に復旧した後の写真となります。
お預かり時にはパスコードをお聞きしておりませんが、
起動できましたら、動作確認のために個別にお伺いしております。
当然、プライバシーもございますので、パスコードを教えたくない方もいらっしゃるかと思います。当店では、あくまでもカメラやマイク、スピーカーなどの確認となりますので、
データだけバックアップが取れたら本体を買い替えるというお客様はご遠慮なくお断りくださいませ。
また、基板の修理にあたって300℃以上の高温に長時間さらされると、基板にも少なからず
影響が出ますので当店ではあくまでも「データを取り出せる状態まで」の復旧をさせていただいております。
これから、本格的な夏となり、またステイホームで長時間スマートフォンを操作される事もあるかと思いますが、突然電源が入らなくなった際はFIREBIRDまでお申し付けくださいませ。