こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。
本日は、たまに充電出来ないことがあったがそのまま使い続けていたところ、ある日起動しなくなってしまったというiPhone7の修理をご紹介致します。
修理店に持ち込んだものの、部品を取り付けても起動しないということで返却となってしまったそうです。
早速本体をチェックしていきます。
外観、内部の見た目は比較的綺麗な状態。
水没の跡もなしです。
恒例の漏電チェックでは3.7Aの漏電が発生していることを確認しました。
サーモグラフィで漏電していると思われる発熱箇所を確認。
熱を発している部品を特定し、その部品が故障しているのか、または発熱している部品に繋がっている部分にショートや剥がれ等、問題がないか調べていきます。
今回発熱していた部品は故障事例の少ないICチップであり、故障個所があるときに熱くなりやすい電気の通り道でしたのでこのICチップの周辺を重点的に探すことにしました。
通常であれば発熱箇所の周辺に損傷したコンデンサ等が見つかるのですが、今回は探しても、探しても、熱を発している部品以外の不良が見当たりません。
ここで、最初のサーモの画像を再確認。
画像右端沿いが他の部分と比べて少し熱をもっているように見えます。
発熱の探知を邪魔してしまうメタルカバーと内部の糊を外して再度サーモグラフィで確認してみます。
今度はしっかりと発熱箇所を確認することが出来ました。
ここからさらに原因箇所を1つにまで絞って処置を行います。
処置後には起動と動作の確認ですね。
以前充電出来ないことがあったとのご申告でしたが今回のチェックでは問題は見つかりませんでした。
iPhoneの基板は本ブログでもたびたびご紹介している通り、メタルカバー、シール、糊等で部品がカバーがされています。
それらは、すぐに取り外せるものと、熱を加えないと取り外せないものに分かれます。
調査の流れとしては、
1. 剥き出しの部分を確認する
2. すぐに取り外せる箇所を外して確認する
3. 取り外しに熱が必要な箇所を確認する
という順番になります。
修理後の基板は綺麗な方が良いですし、手を加えるのは最小限が良いですね。
熱を加えてしまうとどうしても基板全体が温まってしまう為、最初の故障個所以外に損傷が拡がってしまったり、新たな故障が生まれる原因になってしまったりすることもあります。
基板の故障状態にはよりますが、出来るだけ最低限の修理で結果を出せるよう努めさせて頂いております。