こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。
本日は、部品修理店にて修理不可と判断されたiPhone8のデータ復旧事例についてご紹介いたします。
ご依頼時、「水没しているかもしれない」との記載を頂きました。
その為、まずは本体を開封して水濡れの跡がないか確認したのですが、水濡れの形跡が若干ある程度でした。
白い楕円形のシールが水没シールと呼ばれている水没したかチェックする為のシールです。
水に濡れると赤く変化する特徴があり、お風呂の蒸気や内部結露等によって湿気た際にも薄いピンクになって分かるのですが、
写真の通り今回の本体は(やや薄ピンクにも見える)白でした。
もちろん、シールの位置に水分が入り込まないと色は変わりませんので、シールが無い部分だけ水没したという本体もあります。
しかし、今回の本体に関してはスピーカー等の錆びやすい部分を見ても綺麗。
おそらく耐水機能を有するパッキンシールがよく働いたのではないかと考えられます。
水没したかもしれないという自覚がありながら内部が水没していない時、故障の原因となることが多いのが半乾きのライトニングコネクタにケーブルを差し込んで充電することです。
水分がある状態で電気を流す(充電する)と必要以上に、そして必要の無い場所へ電気が流れます。
起動に影響する部分が壊れることで起動不良となります。
もちろん、起動不良となる場所以外が水に濡れた場合、そしてショートした際は、その機能(たとえばタッチ、カメラ等)が使用できないだけで起動し続けた状態になることもあります。
起動はしているもののタッチ不良で操作できない、とご依頼頂いたお客様の本体を開けたら中から水が出てきたということもあります。
同じ水が原因でも症状は様々です。
ですが、水が残ったままで使用し続けると錆び、腐食がどんどん進み最終的には起動不良になってしまうこともあります。
水に濡れたら、濡れたかも?と思ったら、できるだけ綺麗に拭いて乾いてから、起動、操作、充電するようにお気を付けください。
水に濡れた覚えはあるけれど内部は濡れていなかった今回のご依頼品は、部品の1つが炭化していました。
銀色に見える電極が黒ずんでいて、水膨れのような状態になっています。
表面が焦げるほどの電流が流れたとあって、今回のケースでも完全に部品自体が壊れてしまっていました。
炭化した部品を取り外して数値を計測、回路が正常に修復出来たら起動を試し、問題無く起動したら動作を確認して修理完了となります。