こんにちは、基板復旧サービス担当の佐藤です。
本日ご紹介するのは、iPhone6でタッチが不安定になったという本体です。
お客様ご申告の不安定とはどのような状態なのか、実際に端末を拝見すると、
画面を点けるとまるで誰かがタッチをしているかのような動きで、画面がランダムにタッチされていきます。画面の交換修理を試したそうですが、直らないためお持ち込みされたそうです。
しばらくパスコード入力画面のまま放置していると、連続で誤入力がされたため「iPhoneは使用できません」の画面になってしまいました。
早速本体内部を開けて確認しましたが、ざっと見たところ特に変わった様子は無いようです。
本体から基板を取り外し、セクターに分けて一つずつ詳細に調べて行く事にします。
タッチに関係するコネクター周辺のチップを調べやすいようにマイクロスコープをセットしていきます。断線など不具合が無いかテスターで調べて行きますが何せチップ同士の間隔が狭いので注意が必要です。
表面を一通り見てみましたが、不具合個所が特定出来ません。
どうやら基板裏側の回路故障の様です。
タッチIC周辺を重点的に調べて行きます。
電圧的には問題はありませんでしたが、制御系の数値に異常値を発見しました。
さらに調べていくうちにタッチICに繋がっているコンデンサーのリークが見つかりました。
この画像の中の一つに画面をランダムにタッチさせる原因の不具合チップが確認できました。
早速、該当部分のコンデンサーを交換し、回路調査のために外したシールド板を元通りに戻していきます。
シールドを戻せたら、基板に外部電源をつなぎ動作確認をします。この段階で別の不具合や、症状の未改善が見つかってしまったら、再度調査のやり直しとなります。
特に不具合もなく、ご指摘の症状のゴーストタッチも無いことを確認できましたので、
本体に全て元通り組み上げていきます。
今回の症状はランダムにいつ発症するか不安定なため、
放置エージングと導通エージングを繰り返し行い、
その中で不具合が発生しませんでしたので、これで修理完了です。
今回のような故障は勝手にパスコードが打たれてしまうので非常に厄介ですね。
もっと頻繁に今回のような症状が起きると、気付かない間にiPhoneにロックがかかってしまい、本体を初期化しなければならない事態に陥ってしまう可能性が有りました。