こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。
本日は、落下直後には問題が無かったものの落下した当日にアプリを操作していたところ急に電源が落ちてしまい、以降起動しなくなってしまったというご依頼のiPhone8Pの基板修理をご紹介致します。
原因として思い当たる事は、当日落下させてしまったことくらいとのこと。
自宅近くのiPhone専門の部品修理店に持ち込んでみたが部品交換では起動しなかったとのことです。
・落下後
・起動中に電源が落ちた
この2つのキーワードから推測されるのは、落下により基板上の部品の足元のハンダに微かな浮きが発生。そこに電気が流れたことによりショートして起動不良になったものと思われます。
この、ハンダが浮く、取れかけるというのは衝撃の他、水没の腐食でも発生します。
濡れた状態で電気を流すと流れてはいけない場所に電気が通ってしまいショートしますが、濡れて乾燥した後の本体を利用し続けることで、徐々に腐食が進んでいき、ある日電気を通せなくなるほど壊れるということもあります。
日常でiPhoneに掛かる水はもちろん精製水ではありませんので不純物が含まれています。
不純物と金属が反応してある日突然電源が入らない原因となることもあります。
また、一回は小さな衝撃でも、繰り返し衝撃を与えることで徐々にハンダが剥離していき、ある日完全に基板から足が離れてしまい起動しなくなるということもあります。
衝撃、水没はその時だけではなく後々の損傷原因となりますのでご注意ください。
今回の端末は、漏電チェックを実施したところ、漏電が発生しており基板の一部が発熱していました。
熱くなった場所を顕微鏡で見ても一見綺麗に見えます。しかし拡大してみると
しっかりと片側だけ焼けて変色しているコンデンサが1つだけありました。
発熱箇所とも一致しており、こちらのコンデンサが起動不良の原因であると判断しました。
コンデンサを取り外して、電気が正常に流れることを確認してから起動させて状態を見ます。
問題無く起動には至ったのですがここで問題が発生しています。
タッチが効かない状態になっています。
フロントパネルが原因の可能性がありますので新しいフロントパネルを仮で取り付けてみますが変化なし。
タッチのコネクタを確認してみますがゴミ、歪みはありません。起動時に不自然に熱くなる場所もありませんでした。
そこで先ほど異常発熱していたコンデンサに繋がっていてタッチが関係ある場所を順番に調査し、ここしかないと思われるICチップを交換したところ、無事タッチが可能となりました。
基板の故障は1カ所のみでとどまっている場合ももちろんありますが、
複数箇所を修理する必要のある場合もあります。
そして複数箇所が壊れていた場合、損傷個所の発見が困難になる事があります。
その場合はお時間お日にちがかかってしまう場合もありますが出来るだけスピーディーに返却させて頂けるよう努力してまいりますのでよろしくお願いします。