こんにちは。FIREBIRD修理センターの佐藤です。
今回はiPhone7の起動しなくなった端末の復旧をご紹介いたします。
こちらの本体、ホットカーペットの上で充電後、しばらくは操作に問題なかったものの、
30分後くらいに見た時には電源が入らなくなっていたとの事で、当店へ基板修理のご依頼をいただきました。
早速調査に取り掛かります。
先ずは、状態の確認をします。
スリープボタンを押しても反応は無し。
ライトニングケーブルで充電器につないでも本体は反応無し。
安定化電源(=バッテリーの代わりにコンセントからiPhoneの定格電圧に合わせて調整できる直流電源)を繋ぐ前に
基板上のチェックポイントで数値的な不具合が無いかテスターで調べておきます。
今回は調査中、明らかにショートをしているチップコンデンサーを見つけてしまいましたので、
そのまま該当チップを外していきます。
外したチップはやはり電源ライン上のものでしたので、回路の導通をもう一度測定するとこの時点ですでに復旧しておりました。
ただし、今回は比較的大きいチップパーツのため、同規格のものを組み戻していきます。
並列にいくつも繋がっているチップ部品の場合、それらがブレーカーの役目をしている事もあり、
1つ取り除いたくらいでは、特に戻さなくても良い場合もあります。
これは、戻す際に改めて基板を加熱する事が、基板にとってはかえってダメージとなりかねない、という理由からです。
さて、基板回路の導通が回復しましたので、テスト用のパネルと安定化電源だけ接続した状態での起動テストを行います。
スリープボタンを押して特定の電流値を超えた段階で、リンゴマークが点き初めます。
そのまま電流値は増減を繰り返しながら順調に上がって行き、起動電流値を超えた段階で、
ディスプレイがリンゴマークからパスコード入力画面に切り替わります。
タッチ操作も問題なくできています。
ここまでくれば、基板の修復作業は完了となりますので、パネルを元のお客様パネルに戻し、
電源も元の本体についているお客様のバッテリーに戻していきます。
この時、基板に繋げる前のバッテリー電圧を測定してみます。
負荷が繋がっておりませんので、解放電圧の測定になりますが、
基板の動作限界電圧を下回っておりました。
こうなると、iPhoneに繋いでも起動はしません(=充電マークすら点きません)。
原因ははっきりとしていて、漏電により、修理にお持ちいただくまでの間、
常に漏電状態だったため、電池が過放電状態となっていたからです。
ただし、今回は幸いにもバッテリーを30分ほど充電すると復活しましたので、
電池としての機能はだいぶ落ちてはいる可能性がありますが、
お客様ご自身でバックアップをする程度でしたら大丈夫と判断しまして、
交換はしないままでのお返しとなりました。
iPhoneを火の近くや高温環境で長時間使用しますと、不具合が起こりやすくなります。
万が一iPhone電源復旧が必要となった際は、FIREBIRD修理センターまでご相談ください。