こんにちは、基板復旧サービス担当の佐藤です。
今回ご紹介するのは起動しなくなったiPhone 6sです。
早速本体の状態から順番に確認して行きます。
最初に、スリープボタン押しても起動できず、ライトニングケーブルを繋いでも
全く電流がながれないため、明らかに基板の不具合が起きていると判断。
こちらは基板を取り出した状態です。
基板単品で詳しく調べて行く事にしましょう。
バッテリーコネクター周辺を先に調べて置きます。
バッテリー側に繋がる端子及びバッテリーの充電コントロール端子共に短絡やオープン(断線)等はありませんでした。
次に、ライトニングケーブルからのUSB電源の入力端子からUSBケーブルのTYPE A端子間の導通も問題無しでしたので、
明らかに基板上で不具合が起きている事に間違いないようです。
次に、バッテリーコネクターに外部電源を接続して電源ラインのリーク電流を調べます。
ここで異常発見。
本来、コネクターにバッテリー(外部電源)を繋いでもスリープボタンの操作をしない限り
殆ど電流は流れないのですが、今回測定した値は約10A(アンペア)流れていました。
直ぐに電源を外し、バッテリー側から順に調べて行きます。
すると、バッテリーからの電源ラインの先の所で測定異常を確認。
電源の大元となる所でショート個所が有り、その為全ての動作が出来なくなってしまった様です。
不具合個所が大筋で絞り込めましたので、顕微鏡を使用して該当回路のパーツを一つずつ目視していきます。
大量に似たようなチップ部品が有る中、一つだけ変色しているチップコンデンサーを発見。
その部品を外して、ショートしていた電源ラインの導通をあ調べると先ほどまでショートしていた箇所が正常にもどりました。
今回、不具合を起こしていたチップコンデンサーに於いてihponeで使用している部品の中では比較的大きめのサイズでした。
外した所のコンデンサーを交換し、再度測定。
ショート個所が改善されましたので、外部電源を使用し、パネルを仮付けして起動させます。
リンゴマークが点き、そのままパスコード画面まで表示されました。
起動時の電流値も正常、パスコードの入力操作、電源切り操作などを行い異常なしでしたので、基板を本体に戻します。
本体に組み込んだ後(先の時点ではパネルはまだ仮付け状態)バッテリーの充電テストを行いました。
故障時は、常に大電流が流れ続けていた為、充電状態がほぼ空に近い状態でしたので、
きちんと充電が出来るか確認します。 この作業が結構時間が掛かります。
充電も不具合無く行えましたので、パネルを組み込み、再度一通り動作を確認し、
無事端末が復旧完了!
データもバックアップできる状態になりました。