こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。
本日は、iPhone8Plusの基板修理をご紹介致します。
今回ご依頼頂いた本体は購入してから約3年経ち、おそらくバッテリーの減りの速さも気になりつつ使用を続けていた状態。
ある日、数分の放置後にiPhoneを使用しようと手に取ったら起動しておらず、充電器に挿してみたものの起動しない状態になってしまったとのことです。
さっきまで起動していた本体が突然起動しなくなったら、恐らく皆様バッテリーが切れたのかと思い充電してみるかと思われます。
この時、充電を試してみる際に気を付けて頂きたいことがあります。
・充電器を挿した時に起動しないが熱くなる
この状態の時には漏電が発生している可能性があります。速やかにケーブルを抜いて修理店に持ち込みましょう。
・充電マーク下に表示されるケーブルのアイコンが消えない
充電ケーブルに反応していません。充電ケーブルの不具合又は本体側の充電機能の故障が考えられます。ケーブルの問題ではないことを確認したら修理店に持ち込みましょう。
・充電マークのまま変わらない
バッテリーの不具合、充電機能の不具合、両方の可能性もあります。
いずれにせよ、数分前までご利用されていた本体であれば、3~5分充電して起動しなければお客様環境下で起動することはほぼ無い状態になってしまっていることが考えられます。
状態にもよるものの、起動するかも?と思って充電し続けてしまうと部品や基板の損傷が拡がってFIREBIRDの基板修理でも直せないCPUやメモリまで壊れてしまうことがあります。
今回の修理品のお話に戻ります。
今回のご依頼品は、分解したところ内部に水没した跡がありました。
水気は残っていませんでしたがフロントパネルの内側、基板の上に濡れた跡が確認出来ました。
腐食等は広がっておらず、見た目上の基板は比較的綺麗な状態でした。
漏電チェックをしたところ、漏電は確認できませんでした。
しかし、起動させようとすると急激にアンペアが上がり基板が発熱します。
基板下部が大きく発熱していますが、基板中央のメモリ部分の脇も小さい範囲で発熱しているのがご覧いただけます。
起動の際に熱くなるICチップは把握している為、このような不自然な位置の発熱を探して故障個所を特定します。
発熱していた箇所はこちらですが、見た目は普通です。
黒くコーティングされているコンデンサの内の一つが原因となっていました。
回路の修復を実施した後は、フロントパネルと基板のみ取り付け、最低限の部品のみの状態で電流を流し起動できるか確かめます。
この時点で、表示、タッチを確認します。
問題が無ければその他部品を取り付けて動作確認。部品によっては起動や動作に影響が出る壊れ方をしている場合がある為、このような手順になります。