iPhone8(A1906)耐水仕様でも内部に浸水してしまった端末の復旧

こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。

本日ご紹介しますのは、お水に浸かってしまってスグに取り出したものの、
電源が全く入らないiPhone8の基板修理となります。

冒頭の写真は、基板裏側にあります「メモリ」と近辺のチップを写した画像です。
銀色の大きなパーツで「TSB3234~」と書いてあるのがメモリチップでして、
この中にお客様の大切なデータが記憶されています。

メモリの左縁当たりに薄っすらと水滴が乾いた跡をご確認いただけるかと思います。

そして、こちらの画像は端末のパネルを開いた時の画像になります。
中央やや上に同じく銀色の部分があり、その下部に少し赤(ピンク)色に変色した
水没反応を示すシールがご確認いただけますでしょうか。

iPhone8の場合、浸水箇所は主に下記の4点が挙げられます。
(1) パネル全周のフレーム隙間
(2) SIMカードスロット部分
(3) フロントパネル(イヤースピーカー部分)の切れ込み
(4) ホームボタン周囲の隙間

(1)はパネルとフレームの間にあるパッキンが経年劣化していたり、
  お客様の手の皮脂やハンドクリーム等によっては劣化が進行している場合があり、
  隙間部分から浸水していることがあります。

(2)は今回の浸水箇所と思われますが、SIMカードスロットにもわずかな隙間はあります。

(3)こちらも故障事例としては多く、イヤースピーカーのケーブルを介して水分が
  直接基板に届き、ディスプレイ不点灯や起動不良の原因となります。

(4)iPhone7以降はホームボタンは物理的なボタンではなくなりましたので、
  旧機種に比べて大幅に故障は減りましたが、ホームボタンの材質がガラスになったため、
  気づかない内にヒビが入っていたりすることもあります。
  また、(1)同様手指の皮脂やハンドクリーム等が染みてパッキンが劣化してしまっている可能性もあります。

上記のように、メーカーからは耐水仕様ということで販売されていますが、
発売から2年近くも毎日使用していますと、やはり経年劣化は避けられないのが実情かと思います。

公式サイトにも「防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、
通常の使用によって耐性が低下する可能性があります。」との記載もありますので、
やはり普段から精密機器としての扱いでご利用いただくようオススメ致します。

当店でもデータ復旧不可能な事象としましては、CPUそのものの不具合、メモリの不具合、システム故障が
ありますが、今回の故障はギリギリ、メモリ電源の供給ラインのチップパーツ不具合だったため、
無事にお客様端末は起動する事ができました。

耐水性能はあくまでも、気持ち的な安心感程度にお考えいただき、素敵なiPhoneライフを楽しんでいただければと思います。水没基板修理の事ならFIREBIRD修理センターまでご相談ください。

iPhone水没復旧

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