こんにちは。基板修理センターの笹山です。
本日ご紹介する修理は起動後すぐに高温注意の画面に代わり、何も操作ができなくなった端末の修理です。
これは、基板上にある温度感知の部品が異常高温になったという信号を発出したために
iPhoneが回路保護のために自動で処理を止めた状態です。
このようになると、基本的には全く操作ができなくなるため、
多くの方は画面の指示に従ってしばらく放熱放置するか、
強制的に再起動を試されますが、厄介なことに症状は変わらない事が多いかと思います。
通常であれば、起動後一定の電流値に達した後はなだらかに下降をたどり、
ほぼ安定して低い値に推移します。
ただし、この端末では反対に、起動電流に達した後もその1.5倍~2倍ほどの値付近を
乱高下していました。これでは、回路がどんどん温まってしまい、小さな基板部品にとっては
非常に辛い状況下になってしまいます。
当ブログで多く登場する漏電系の故障に比べると電流値は小さいため、
ショートによって部品が故障し、電源が入らないといった故障ではなく、
警告が画面に出たまま使用不可となるケースが多いです。
iPhoneの基板は小さな躯体に多くのパーツを入れなければいけないため、
初期の機種より表裏両面にチップパーツが所狭しと詰め込まれています。
パソコンやノートパソコンでも冷却用ファンの熱風や排気音からご想像いただける通り、
基板部品で発生する熱は可能な限り冷やす必要があります。
一方の携帯端末に関しては、本体の構造設計のみで熱を逃がす方法が取られているため、
元々機器自体にとって排熱環境においては不利な状況に置かれています。
使用時はさらに放熱に不利なケースに入れられていたり、
直射日光の降りかかる屋外や高温の車内などに長時間さらされたりと
常に故障と隣り合わせの状況にあるため、時間経過とともに部品の劣化も早まります。
今回の不具合では、劣化したチップパーツが原因である事がわかりましたので、
不具合箇所の修復を実施し、通常起動するようになりました。
まだまだ暑い時期が続きますが、お使いのiPhoneが同様の症状に陥った際は
ぜひFIREBIRDまでご依頼ください。