こんにちは。FIREBIRD修理センターの佐藤です。
今回はiPhoneXSの起動しなくなった端末の電源復旧をご紹介いたします。
こちらの本体ですが、壊れる前日の夜に充電しながら就寝された後、
朝になって操作しようとした所、何も反応しなくなったとの事で修理のご依頼をいただきました。
当店には夕方お持ちいただきましたが、当日は他のお客様基板修理も多くありましたので、まずは初期診断を実施いたしました。
この機種は基板が2枚張り合わせの構造になっております。
初期診断にて漏電が見つかりましたので、早速分割していきます。
今回はリーク(漏電)電流が約1.9Aあり、2枚張り合わせの「上側」の基板に故障原因がある事が判明しました。
※下側の基板は主に「通信系統」の回路が集中して配置されており、故障個所によっては電源の復旧後に、通信に影響が出る事が有ります。
当店では、日本国内における電波法の都合上、通信に関する修理は承っておりませんので予めご了承ください。
通信に影響を及ぼす故障確率は当社統計上、1%以下となっております(2021年2月時点)
不具合を起していた約1mmほどの小さなチップコンデンサー(冒頭画像の赤丸内)を取り除き、交換後、改めて不具合を起していた電源ラインを計測します。
数値も正常に戻りましたので、分割した基板を張り合わせしていきます。
※貼り合わせは何度も繰り返しをすると、基板に負荷がかかる上、修理作業時間も無駄になりますので、
事前に仮組み用の治具を使い、正常に起動する事を確認しておきます。
そうしてから接合面の最終チェックをし、新たにフラックスを塗布、慎重に位置決めをして張り合わせをしていきます。
張り合わせが終わり、粗熱が取れた所で再度不具合が起きていた電源ラインを確認します。
張り合わせで半田が少しでもズレて接合されていないかをチェックするこの作業はとても重要となります。
バッテリーコネクターに安定化電源を接続、リーク電流が無い事を確認してスリープボタンを長押しします。
無事リンゴマークが表示され、電流値も順調に上がって行きパスコード入力画面までたどり着け、タッチ動作の確認も出来ました。
お客様からお伺いしたパスコードを入力し、一連の動作確認を行います。
お客様は端末を預けられた後はそのまま帰宅されましたが、今回のような故障内容ですと、午前中にお持ちいただいていれば即日でのお返しも承る事ができます。
他県にお住まいという事で、今回は翌日宅配でのご返送となりました。
当店では、往復送料および代引き手数料も店舗負担とさせていただいておりますので、
遠方にお住まいの方で、新宿まで来られるご予定が無い場合は是非ホームページからの集荷お申し込みをご利用ください。
原因が思い当たらない起動しなくなったiPhoneのiPhone電源復旧ならFIREBIRD修理センターまでご相談ください