こんにちは。FIREBIRD修理センターの佐藤です。
今回はiPhoneXSの起動しない端末のデータ復旧をご紹介いたします。
お客様のご申告内容がまるで川柳のようでしたので、そのまま引用させていただきます。
「朝起きたら 電源がきれてて そこから動かない」
との事で修理のご依頼をいただきました。お客様も何が起こったのかわからず、若干諦めの気持ちも伝わってくるご申告内容です。
到着して早速、端末状況を確認します。
スリープボタンを押しても反応なし。ライトニングケーブルを接続しても反応なし。PCに接続も反応なしでした。
ご申告通りの症状で間違いないようですので、調査に取り掛かります。
パネルを外して、基板が見える状態にしてから各ポイント毎にテスターでチェックをします。
ここで改めて基板側に不具合が有る事を確認しました。
当機種の基板は2枚張り合わせ構造の為、さらに絞り込んで視ていきます。
上記写真は、基板を分割する前に切れ目を入れたところです。
この後、さらに熱を加えて基板を分割します。
調査をさらに進めて行った結果、不具合個所を特定、チップコンデンサーの不具合による起動障害と判明しました。
早速不具合を起していたチップコンデンサーを取り外して、短絡(ショート)が解消されたかを確認します。
交換後も改めて、測定ポイントにて再確認を行います。正常値を確認しましたので、2枚の基板を元通りに張り合わせます。
この作業時のポイントはとにかく「クリーン」を維持する事。
作業に使うブラシや工具に付いたほんのわずかなチリ・ホコリ・毛クズでも
半田面に入ってしまうと接触(導通)不良を起こす可能性があるためです。
作業には工業用アルコールで入念に洗浄を繰り返します。
本体にパスコードが設定されていたため、お客様にパスコードの確認が取れるまではバッテリーの充電テストを行います。
組み上がった当初は漏電によりバッテリー残量はほぼ無く約1%程でした。
バッテリーも順調に充電されていき、パスコード確認後、動作確認を終えるまでに掛かった時間はトータル約2時間でした。
今回修理した端末の不具合の主原因は、米粒の半分もない小さいチップコンデンサーの単独ショートによるものでした。
基板に組み込まれているパーツの中では比較的大きい部類ですが、メインの電源部が故障した事により電気的に動作できなくなってしまったものでした。その為バッテリーもその間ずっと放電状態の為、修理で起動した直後のiPhoneのバッテリーは電力がほぼ残っていないお状態でした。ゼロからの充電は、本体にもバッテリーにも負担となりますので、なるべく日頃からバッテリー残量をギリギリまで使う事のないようご注意ください。
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他店で修理不可と言われたり、突然のiPhoneリンゴループ復旧等も承っております