こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。
本日ご紹介しますのは、当ブログでも度々登場してきました、
気づいたら起動しなくなっていたシリーズの症状に陥ってしまったiPhone11のデータ復旧修理となります。
到着したiPhoneに直流電源を繋いで、一瞬だけ電流を流しますと、
ラッシュ(※)で5.5A近くの電流が流れました。
※iPhone基板回路内には多数のチップコンデンサーが組み込まれています。
iPhoneに電源を入れた際、まずはそれらのコンデンサーを充電する必要があるため、
瞬間的に大きな電流(突入電流・始動電流)が流れること自体は不具合ではありません。
通常のiPhoneでは、各回路を順番に正しく電流が流れたのちに、電流値がおよそ1Aを超えると起動します。
一方、故障したiPhoneで回路が短絡している場合、電源に繋いだ「瞬間」に大電流が流れます。
この時の数値である程度の故障箇所を区分けする事ができますが、瞬間的とはいえ5.5A近くになる事はまれです。
この5.5Aがどのくらいの電流かといえば、賃貸のお部屋に備え付けられているようなワンルーム用「エアコン」の運転電流とほぼ同じとなります。
iPhoneの内部でこれだけの電流が流れますので、故障時にはいくらかの発熱もあったと思われます。
さて、今回の不具合原因となっていたコンデンサーがこちらです。
一見すると特にこげているようには「上から」は見えません。裏返してみますと、
艶が消えたような色をしているのがおわかりでしょうか?
ごく僅かな違いに見えるかもしれませんが、iPhoneの電源回路において、
一つでもこのような壊れたコンデンサーがあると本体は起動しなくなってしまいます。
不具合箇所を修復した後、専用の治具に基板をセットし、画面だけを仮付けした状態で
始めと同じように直流電源に繋いで電流を流してみますと、今度は正常に起動しました。
この時点でまだパスコードはお知らせいただいておりませんので、緊急画面にてタッチ操作ができる事だけを確認しています。
※画面は当店のテスト用パネルのため、基板を再接合しましたら、改めてお客様の端末画面にて正常起動するかをチェックします。
当店お客様の中には、動作確認をご希望されない方もいらっしゃいます。当店では、可能な限りお客様のご意向に沿う形で対応させていただきます。
到着時点では一切起動していない端末ですので、カメラ機能やWi-Fi接続、その他各種センサー機能に関しては保証致しかねますが、
データの取り出しさえできれば本体は買い替えるというニーズもございますので、そのような場合には起動状態のみを確認してのご返送となります。
突然のiPhone起動不良により、保存できていなかったデータを取り出したいというご依頼をはじめ、
iPhoneデータ復旧に関するご依頼はぜひともFIREBIRD修理センターにご相談ください。