iPhoneX(A1902)バッテリーを自身で交換したら起動しなくなった端末の復旧

こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。

本日ご紹介するのは、お客様ご自身でバッテリーを交換したのち、起動しなくなってしまったiPhoneXの修理となります。

まずはこちらをご覧ください。

クッション材の下からチップコンデンサーが取れかかっているのが確認できます。

あくまでも推測にはなりますが、お客様ご自身で作業をされた際に
バッテリーのコネクタを外すのに使う工具でチップをひっかけてしまい
ポロっと取れてしまったものと思われます。

毎日修理をしている専門修理店スタッフや、トレーナーに教わりつつ作業を行う新人スタッフとは違い、
一般のお客様がiPhoneを修理する場合、力加減が非常に難しいため、このような結果になってしまう事が多いです。

さて、iPhoneの基板には多数のチップ部品が半田付けされていますが、
中には不要(無くても起動には関係しない)のものもあります。

不要なものという表現ですと語弊がでるかもしれませんので、
遮断器(=サーキットブレーカー)の役割を担っているものとお考えください。

滅多に使われることは無いものの、イザという時には保護を兼ねて働く部品です。
ただし、このサーキットブレーカーは複数あるため、1つが無くなっても起動には影響がありません。

先の写真に写っていたコンデンサーは起動にはほとんど影響しませんので、今回は取り除いておきます。

このコンデンサーを元に戻す事は、本来の設計からすると「ベスト」ではありますが、
今回のケースでは近くにバッテリーのコネクタがあり、チップコンデンサーを戻す際に使うヒートガンの熱によって
コネクタに歪みやその他パーツの不具合を招くリスクの方が高いと判断し、除去という「ベター」な選択肢を取ります。

今回の起動不良に影響していたのは同じチップコンデンサーでも、
起動時に電流を安定させる部品で、それが壊れていた事が原因でした。

1枚目写真のパーツは、無くても起動すると書きましたが、
今回壊れた部品はメイン回路になっており、回路のどこかに不具合が出た時点で起動しなくなってしまいます。

ただ、メイン回路でも交換を実施する必要がある場合と、ショート部品を取り除くだけで起動する場合があり、
幸い今回は後者でしたので、比較的基板へのダメージが少ない修理方法で復旧できました。

お客様から、修理後どのくらい持ちますか?とのご質問をいただく事が多いですが、
このように故障部品(箇所)による修理方法の違いもあって一概には言えないというのが正直なところになります。

また、ショート原因が今回のように欠損の場合は水濡れや、高温環境での使用などに比べると
半導体への影響は少ないため、比較的安定はしますが、電気の事ですので見えないところまで
影響が行ってしまっている場合もあります。

普段iPhoneをご利用の皆様に言える事ですが、
万一の起動不良に備えて日頃から「こまめなバックアップ」は必ずお願い致します。

ご自身でiPhoneを分解修理してお困りの事がありましたらFIREBIRDまでご相談ください。

iPhone自己修理失敗

関連記事

  1. iPhoneX(A1902) 落下により起動しなくなった端末の復旧

  2. iPhone7(A1779)自己修理失敗により、コネクタ端子が残ってしまった端末の復旧

  3. iPhoneX(A1902)本体発熱から起動不良になった端末の復旧

  4. iPhone 6s(A1688)基板損傷によりバックライトが表示されない本体のバックライト復旧

  5. iPhoneX(A1902)修理店での部品交換ではタッチ不具合症状が改善しなかった端末の復旧

  6. iPhoneX(A1902)原因不明で電源が入らない本体の電源復旧

お電話でのお問い合わせも可能です!