iPhone7(A1779)通常使用における起動不良となった端末の復旧

こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。

本日ご紹介するのは、ご依頼いただいたお客様もなぜ壊れたのかわからないというiPhone7の修理です。
まずはこちらの写真をご覧ください。

3つ並んだチップコンデンサの一番左側のメッキ部分が他の2つのチップコンデンサに比べて
くすんだ色をしているのはわかりますでしょうか。

お肉が焼ける焦げるのと原理は同じで、ニッケル/錫メッキの両電極が煤けています。

このようになる原因は主に2つ。

(1)本体に強い外圧が加わって基板にたわみができる場合
(2)並列になったチップコンデンサに大きな電圧がかかった影響により
   うち1つが壊れる場合

今回は(2)の原因が考えられます。
この壊れたチップコンデンサの表面を借るくピンセットで持ち上げると

このように表面だけが剥がれてしまいました。
チップコンデンサの真ん中(肌色部分)はセラミックが積層になっているため、
このようにポロっと取れてしまったのでしょう。

液晶モニタの画像は解像度や色調の影響で少し見にくいので、
実体顕微鏡から覗いたままの様子をiPhoneのカメラで取ると
次のような写真となりました。

こう見てみますと、壊れているのが一目瞭然でおわかりかと思います。
ただし、これは基板の回路のどの部分で起こっているのかは、予測はできず
あくまでも目で追っていく必要があります。

当店では、作業効率のためサーモを使ってあらかた検討は付けてから探しますので、
今回はかなり早く見つけることができました。

今回の部品は、外しても問題のない箇所でしたのでヒートガンで軽く温めて、
上下左右のチップに触れないように取り除いてあげました。

下と右には同サイズのコンデンサーがありますが、
上隣りにはさらに小さいサイズのチップが2つ、
左隣りには同様の小さいサイズのチップが3つもあります。

さて、パネルを繋げて起動させてみますと、無事にリンゴマークが出ました。
あとはそのまま電流値を睨みながら待つと数十秒で無事に起動致しました。

普段から持ち歩くiPhoneのようなスマートフォンは、振動や衝撃に常に晒される環境にあります。
加えて、日々の充電や高負荷のアプリ使用などが積み重なった時、
本体内部の基板上にある幾多のチップのうちの一つが突然壊れてしまう事は十分にありえます。

そういった事が起こった際に困らないよう、常日頃より定期的なバックアップをお勧めします。
万一、大事なデータが無くなりそうな場合は当FIREBIRDまでお問い合わせください。

iPhone電源復旧

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