こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。
本日ご紹介しますのは、端末を操作して画面を2時間ほど消したのち、
次に触ったところ、端末が起動しなくなっていたというiPhone12miniのデータ復旧修理となります。
こちらは、今年2021年に発売された最新機種であるiPhone13miniの一つ前の型番で、
背面のリアカメラの「デザイン」からiPhone12miniと見分ける事ができます。
このiPhone12miniからは基板の位置が、端末の正面に向かって左側に移ったため、
数年来のクセが染みついた技術者にとっては多少の違和感を覚える内部構造になっています。
基板から全てのコネクタを外した後、本体から基板を外しているところの写真です。
技術者によって作業しやすい方向は異なりますが、本ブログを執筆している当人としましては、端末をやや斜めに置いて外していきます。
そして、取り出した基板をテスターで検査し、基板の主要回路において導通の状態を確認していきます。
今回の故障事例では、電源回路において数値上の不具合が見つかりましたので、2層基板を分割する作業に入ります。
このiPhone12シリーズとさらに一つ前の型番であるiPhone11シリーズとでは、2層基板間の『接合の固さ』が異なります。
もともとiPhoneは単層基板(基板が1枚)でしたが、iPhoneXを境に2層基板になりました。
そして各半導体チップ部品のサイズダウンが進み、それに合わせて基板も毎年より小型化されてきました。
最近よく耳にする「5G」と言わる次世代通信用の新しいチップ群がiPhone12シリーズから全機種に追加装備された事により、
基板のサイズがまた大型化したことが、この「接合の固さ」と関係があるとみています。
基板面積が増えた上、2層基板で半田の接合面積も増えたため、
加熱する傍から放熱も手伝って半田が溶け出す温度にまで到達する「時間」が延びたため、
作業者にとっては「接合が固くなったと感じる」要因となります。
ただし、分割ができなくて修理ができないという事は決してございませんので、ご安心ください。
黄色の断熱テープの下がiPhoneの頭脳部にあたる「CPU」という部品となります。
今回の不具合箇所がこのCPU付近だったため、作業においてCPUを熱から守るため、
念には念をいれてこのようにテープを貼って作業をします。
修復作業が無事に終了し、起動した端末で各種機能のチェックをするために設定アプリを開いているところです。
今回は幸い、故障箇所が比較的浅い部分でしたので、基板の修復により問題なく起動する状態まで至りましたので、
簡単に各種センサーやWi-Fi通信の作動確認もさせていただきました。
iPhone電源復旧でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひFIREBIRD修理センターまでお問い合わせください。