iPhone 8(A1906)発熱後に起動出来なくなった本体の電源復旧

こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。

本日は、発熱した後に起動しなくなったiPhone8の電源復旧修理をご紹介いたします。

FIREBIRDでは、修理のお申込みを頂く際に「故障詳細」を入力頂きますが、この際に入力頂けると助かる情報がいくつかございます。

1. 故障時に異常な発熱はなかったか?
2. 容量過多の警告が出ていなかったか?
3. 水没またはお風呂での使用等、水没に類似した状況でなかったか?
4. アップデート中、充電中、画面操作中等、○○中に発生したという情報

どのような状況で起動不良になったのかが判明していると故障個所の絞り込みにとても役立つことがあります。

今回ご紹介するiPhone8は上記1の発熱後に起動しなくなった状態でした。
発熱したということは電気が設計された回路外へと流れている「漏電」状態である可能性が高いです。

基板を調べたところ、予想通り0.9Aの漏電が確認出来ました。

漏電していることが確認できたらサーモグラフィ機器で通電時の表面温度を測ってみます。

こちらは通電してすぐに熱を持ち出したところを撮影したものです。
白く表示されているところが熱源です。
2か所から熱が出ていることを読み取ることが出来ます。


こちらが熱を発していた箇所の片方です。
保護剤が熱で膨張したのか表面がぼこぼことしています。
波打った保護剤を除去したところ、チップが変色し壊れていることが確認出来ました。

次はもう1か所の発熱部品です。


こちらは取り外したところ、部品のパターン(地模様)が剥離しており、交換前にジャンプによるパターン修復が必要となりました。

その為、写真中央のチップに沿ってジャンパー線が横断しています。

漏電が無事解消されたことを数値で確認出来ましたので起動の確認を行います。

リンゴマークが無事点灯しました。
この時、バッテリーではなく直接電流を流して起動を試すことで、iPhone基板にどれだけの電流が流れているか確認することが出来ます。
電流の流れる数値を見守りながら待っていると無事、起動に至りました。

起動した後は、表示、タッチ、充電を確認して問題が無ければ修理完了のフローへと進むことになります。

今回の修理のように、発熱して起動しなくなった。起動しなくなって電源を入れようとすると熱くなる。という症状は漏電している可能性が高いです。
漏電状態で電気を入れ続けるとショート箇所、故障個所が増えてしまう場合があります。
漏電は部品の交換ではなく基板修理の領域となりますので本体発熱後の起動不良の際にはFIREBIRDをご検討ください。

iPhone電源復旧

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