本日は起動しないiPhone11Proからのデータ復旧事例をご紹介いたします。
依頼内容
iPhone 11 Proをご使用中、落下や衝撃などはなく通常通り使用していたところ、バッテリー残量が少なくなった際に電源が落ち、その後充電器を接続しても反応がなく、強制再起動もできなくなったとのことでした。
Appleで診断を受けた結果、「バッテリーの問題ではなく修理対応不可」との回答となり、写真だけでも何とか復旧したいとのご希望でFIREBIRDへご依頼いただきました。
症状
・電源が一切入らず、充電マークも表示されない
・強制再起動不可
・外傷や落下など目立った原因なし

iPhoneの故障による起動不良では、大きく分けて2パターンあります。
(1)電源が全く入らない
(2)電源は入るが、画面が点かない
※今回リンゴループ症状などは含めない状態でパターン化しています。
今回は(1)の電源が全く入らない状態となり、電源回路に問題があることが予想されます。
診断・修理内容
基板を取り出し、専用機器にて調査したところ、漏電が発生していることが判明。

起動出来ないであろう量の漏電が確認出来ました。

基板を分割し、漏電箇所を突き止めていきます。
iPhone11ProはiPhoneXからの系統を汲む構造設計で基板が2層に分かれており、上下間は半田にてしっかりと密着されています。
よって、故障箇所が基板同士にサンドイッチされた内部ですと「剥がす→故障箇所を見つける→修復を行う→基板を再接着する」までを行う必要があります。

今回ご依頼頂いたiPhone11Proをサーモグラフィで確認した画像がこちら↓です。
2枚張り合わせの「上側」の基板に異常発熱している箇所がある事が判明しました。電源(電池)を繋いだだけで、局所的に発熱し、そこだけ周りよりも高い温度を示している事がこの写真だけからでもわかります。
発熱しているパーツによっても差がありますが、常温からほんの数秒で熱くなります。

しかし、異常発熱していたところを顕微鏡で拡大して確認してみたものの、見た目でわかる焦げや欠損、異常はありません。

慎重に作業をすすめ、修復を行っていきます。
結果とデータ復旧
漏電箇所を修復し終え、数値が改善し、起動が確認出来ました。

2枚に分割した基板を張り合わせてタッチや充電等、起動以外に必要となる機能が動作するか確認してから本体フレームに組み込んで修理完了です。

修復後の基板を端末に戻し、無事に端末起動が確認され、お客様ご自身でバックアップが取得可能な状態まで修理することが出来ました。
今回、お客様ご希望の“写真だけでも救いたい”という点も含め、データ復旧成功となりました。
※データの確認の際には、【設定アプリ>一般>情報内での確認】となります。アプリを開いての確認等、お客様データにアクセスする事は一切行いません。
プライバシーマーク取得事業者として、社員およびスタッフの教育およびオペレーション遵守の徹底をしております。
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解説・まとめ
本件は外的なダメージが一切ないにもかかわらず、内部で発生した漏電(ショート)が原因でした。
iPhone 11シリーズの場合、経年劣化によるトラブルのほか、日常的な使用状況(例:過充電など)によっても不具合が生じることがあります。
バックアップデータを取っていない状態で、iPhoneやiPad、Android端末が故障してしまいお困りの方、当店の診断・修理でデータの取り出しに成功するケースが多数ありますので、まだあきらめないでください。
今回の様に「Appleで修理不可」と判断された端末の他、リンゴマークが表示されたまま先へ進まない症状や、
電源は点くけどタッチができなくてデータのバックアップが出来ない等の不具合でもデータ復旧のご依頼を承っております。
ぜひ、FIREBIRDをよろしくお願いいたします。


















