こんにちは、FIREBIRDの佐々木です。
本日は比較的最近の機種であるiPhoneSE(第2世代)の修理をご紹介致します。
発売日は2020年4月24日ですのでもうすぐ発売から8ヵ月ですね。
こちらのiPhoneSE2、使用中に突然電源が落ちたと思ったらその後起動しなくなってしまったとのことです。
落とした覚えはなく、ひょっとしてという心当たりは浴室での使用はしたことがあるけど、とのことでした。
水没の可能性ありとのことですので、通電しての確認前に本体を分解します。
フロントパネルと基板の水没シールは白、水が入り込んだというわけではなさそうです。
濡れたライトニングの穴にケーブルを刺してしまったのでしょうか?
ライトニングの穴を確認してみましたが見た目でわかるショート跡はありませんでした。
基板の表面は非常に綺麗、しかし基板の裏側に貼られているシールを剥がしてみたところ、目視でわかるレベルで焦げているチップを発見しました。
表面の糊が黄色く変色しており、銀色であるべき部分が黒く焦げ付いています。
テスターを使用して数値を計測したところ、出るべき数値が出ません。
数値が出ないということは回路が断線していることを示しています。
電源のメインの回路の一部で漏電が発生した場合、起動しなくなるのはもちろんですが、充電されたバッテリーが取り付けられた状態ですと漏電箇所と繋がっているチップを中心に非常に熱を持ちます。
その際の発熱でさらにその先の回路が損傷したりするなど、状態が悪化する場合があります。
部品の修理屋さんでバッテリーを仮で付けた際に基板が発熱し起動しなかったという理由で修理出来ずという結果になった場合には、この漏電原因での起動不良の線が濃厚です。
また、起動不良になる直前に非常に本体が熱くなったという場合にもこの漏電が原因となっていることが圧倒的に多いです。
漏電によって基板が発熱する状態では、無理に充電しようとして状態が悪化することがあります。熱くなって起動不良になった後の本体は充電しようとしないでくださいね。
焦げたコンデンサを取り外して足となる部分を再度計測を実施します。
出るべき数値が出ています。
これで回路の断線が解消されました。
部品の取り外し跡については、取り付けられていた部品に応じて対処を行います。
内部の見た目はほぼiPhone8と同一で下位互換が可能な共通パーツもあるiPhoneSE2は、
基板もベースの形状自体はiPhone8とほぼ一緒ですが、搭載されているチップやコンデンサには違いがあります。
発売からまだ8ヵ月ということもあり修理のご依頼や事例はまだ少ない状態ですが、FIREBIRDでは修理に対応しておりますのでお困りの際にはぜひお問合せください。
無事起動しパスコード入力画面が表示されました。
お客様に教えて頂いたパスコードを入力し、まずはホーム画面に遷移できるかを確認。
ホーム画面に問題なく遷移できたら各部品の動作確認を実施して修理完了となります。