iPhone8Plus(A1898) 発熱による起動不良となった端末復旧

こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。

本日ご紹介する修理は、普段から睡眠中にiPhoneを充電する習慣があり、
ある朝起きたら本体が発熱していて起動しなくなってしまったiPhone8Plusです。

冒頭写真の白くなっている部分は、電源に繋いだ時に一番熱くなっている箇所となります。
つまり、お客様の朝起きた状態と同じというわけですが、こちらの温度はあっという間に60℃を超える事もあります。
このサーモ写真は、プレートの上から撮っていますので、パーツそのものはもっと熱いということになります。

さて、この状態で長く電流を流すと、基板にダメージを与えかねませんので、
チェックする際は1~2秒ほどにとどめておきます。

これは、先ほどの白くなっていた付近の基板保護シールを外した写真です。
基板には、ステンレス製の保護カバーと保護シールの2種類の保護材があり、
シールの方は一般的な小刀ナイフで剥がせます。

反対に、ステンレス製の保護カバーに関しては、300℃~400℃のヒートガンを使って外すため、
部品にダメージが行かないよう細心の注意を払って作業をします。

表側がプレート、裏側が保護シールとなっていますが、
今回は幸い裏側でしたので、小刀ナイフで剥がし、記録用に写真を撮ります。

電源の回路は、複数のパーツに電気を供給しますが、それらがすべて同一ラインになっているため、
一つのラインでショートが起こると、関連するパーツのどこを計測しても「導通がない」状態となります。

導通がないという事は、電気が流れないということですので、当然起動はしません。
もちろん、これは各パーツを保護すると同時に、主要パーツである「CPU」と「メモリ」を保護する役割も担っています。
そのどこかにある1個(もしくは複数個)のパーツ不具合をまずは探し出す事から基板の修理はスタートします。

そして、すべてのパーツに問題が無い事がわかると、今度はより大きな集積ICチップを疑います。
このICチップは足の数が多く、4個のものから、百数十個の足があるものまであります。
ICチップを交換する際は、ほぼ全ての足が綺麗に半田付けされていないと、
やり直しとなる作業で、これには習熟が必要となります。

当店では、専用の治具を用いて均一な半田盛りを行い、正確に戻す事を徹底しております。

さて、先ほどの修理に戻りますが、サーモによってある程度の的を絞ってましたので、
比較的に早く見つかりこのようにリンゴマークが点きました。

当店の修理メニューにもありますように、ただマークが点いただけのリンゴループで止まってしまう事もありますので、まだまだ油断はできません。

パスコードの入力画面まで進んで初めて起動と言えます。
また、パスコードをお伺いできるお客様には、簡単な動作確認も行っておりまして、
この写真は設定アプリからWi-Fiの接続やスピーカーのテストなどを行う時の様子です。
今回も無事にデータを取り出せる事ができ、お客様にも大変喜んでいただけました。

9月に入り少しは暑さも収まってきましたが、
iPhoneの熱トラブルにはくれぐれもご自愛ください。

何かございましたらFIREBIRD修理センターまでお問い合わせください。

iPhoneデータ復旧

関連記事

  1. iPhoneXS Max(A2102)自宅で突然起動しなくなった端末のお持ち込み修理

  2. iPhone6s(A1688)起動出来ない本体のデータ復旧 

  3. iPhone8Plus(A1898)原因不明で電源が入らない本体のデータ復旧

  4. iPhone7(A1779)何時間充電しても起動しない端末の復旧

  5. iPhone8(A1906)他店舗で修理不可と判断された電源が入らない本体のデータ復旧

  6. iPhone 7(A1779)発熱後に電源が入らない本体の電源復旧

お電話でのお問い合わせも可能です!