こんにちは、FIREBIRD修理センターの佐藤です。
今回はバッテリー残量があるのに、突然電源が落ちたiPhone8の復旧をご紹介いたします。
街の修理店で部品交換を試してもらったが、起動できないとの事で当店にご依頼をいただきました。
起動しなくなった場合、ほぼほぼ電源周りの回路に何らかの不具合が生じております。
よって、修理時は電流計に示される「電流変化」を注視しますが、今回のケースでも安定化電源を繋ぎ電源を入れた瞬間に大電流が流れておりました。
いつも通り順を追って、バッテリー回り、充電回路回り、その先のメイン電源周りといった具合に調査個所をブロック毎に調べて行くことにします。
今回のケースではブロック的には、充電ICの動作を安定化するためのラインで、
メイン電源ラインと対アース間に並列接続されているチップの一個でした。
一個当たりの容量が比較的大きいコンデンサー部品だったため、正常部品に交換します。
ディスプレイを繋ぎ、起動をしばし待つと無事にパスコード入力画面まで来ました。
試しに3回ほどタップしてみますと、タッチ操作もできそうです。
今日は3本まとめてブログを書いていますので、少し基板修理における「光学顕微鏡」の役割について書きたいと思います。
当ブログでよく登場する、丸い覗き穴のような写真は、
この光学顕微鏡から見た基板を写した写真となります。
これは当店テスト機の基板を見た写真です。
基板全体を見渡す際にはこのように見えています。
次にピントを少し変えてみます。
気持ち先ほどよりピントがチップ部品に合わさったため、
「A1NS1836~」の文字がクッキリと見えてきました。
この「A1NS1836~」の文字がプリントされた半導体部品のすぐ右の部品に着目して次の写真をご覧ください。
偏光レンズのように、半導体表面が黒くなってしまいましたが、すぐ右の部品が立体的に見えてきます。
このままさらに倍率を変えて拡大しますと
チップ部品の足元の基板半田面に引っ掻きキズのような跡が見えますでしょうか?
これは、ブログ用に意図的に付けた印ですが、
1)iPhoneが落下等の衝撃により本体端末が瞬間的に変形
2)その力がネジで固定された基板に伝わる
3)基板の変形が激しいポイントにチップコンデンサーが付いている
4)チップの半田面にクラック(割れ)が生じて断線に近い状態となる
という流れでiPhoneの基板故障は起こる事もあります。
さすがに、毎回の修理で目視にて一つ一つのチップを見ていくわけにもいきませんので、
普段の修理ではテスターを使用しますが、最後の確証の部分では、こうした立体的に映る光学顕微鏡が重要となってきます。
iPhone電源復旧に関するご依頼はFIREBIRD修理センターまでお問い合わせください