iPhone11(A2221) 車内チャージャーで充電中に電源が落ちた端末の電源復旧

こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。

本日ご紹介しますのは、お客様マイカーのUSBチャージャーで充電中に電源が入らなくなった事例です。

同様のご依頼は毎月のようにいただいておりますが、車載USBチャージャーが特別悪いという事ではなく、
「偶然」チャージャーで充電している「タイミング」で壊れてしまったと当店では考えております。

充電器に挿しながらのナビ検索や、音楽ストリーミングなど、データ通信量増大に伴う電力消費量が大きい状態で、
充電と放電が同時あるいは交互に繰り返されている環境は、バッテリーも含めiPhone端末にとっては好ましくないため、
この「ながら充電」が少なからず影響している可能性はありそうです。

実際の修理に話を戻します。
iPhone端末から基板を取り出して、導通を調べていきます。

やはり基板電源回路がダメになっており、導通が無い状態を確認しました。
まず2層基板を分割し、各基板を調べていきますと上側基板に問題が発生していることがわかりました。

こちらは、コロナ禍であちこち見かけるようになった「サーモカメラ」という機器で撮影した画像です。
サーモカメラには色々な表示モードがあり、基板修理ですと温度別に階層表現で確認できる表示モードが
故障箇所の絞り込みに使い易いため、当店では初期調査段階で使用しております。

先ほどの1枚目画像はサーモカメラで撮った上側基板の「表面」で、
こちらの2枚目画像が同じ上側基板の「裏面」になります。

サーモカメラを通さず、肉眼で実体顕微鏡を通して見た時の様子は次のようになります。

電気の不具合箇所は肉眼とテスターで計測しながら探す事ももちろんできますが、
サーモカメラのような機器で「アタリ」をつける事で調査時間の大幅な短縮にも繋がります。

上側基板の故障箇所が修復完了したら、上下2枚の基板を直ぐに加熱接着はせず、
まずは該当箇所の修復だけで問題なく起動するかどうかを確認します。

この段階で起動しない場合は、まだ不具合箇所が残っていますし、
起動した場合は、万一の加熱接着後の不具合で直ぐに接着不良を疑えます。

こうして、仮組みである程度動作が問題ない事を確認した後、
高温のヒートガンではなく、徐々に加熱をするホットプレートのような加熱板を使用し、
2分割した基板同士を文字通り「1ミリ」もズラさずに貼り合わせていきます。

iPhoneX以降の2層基板は、1mmの幅で半田ホールと呼ばれる半田ペーストが乗る円が2つあるため、
0.5mmでもズレると、隣のホール同士をくっ付ける事になるため大変繊細な作業となります。

お客様からお伺いしたパスコードを入力し、動作確認をして問題が解消した事を確かめたのちご返送手配となりました。

突然の起動不良などでiPhoneデータ復旧が最優先という方はFIREBIRD修理センターをぜひご検討ください。

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