こんにちは。FIREBIRD修理センターの笹山です。
本日ご紹介する修理は、ある日突然充電器に繋げっぱなしで3時間以上放置していても
全く充電されなくなったiPhoneXSの修理となります。
iPhoneXSをお使いの読者の皆様がいらっしゃったら、おそらく購入から2年弱が経ち、
そろそろバッテリーの減りも早くなってきている頃ではないでしょうか。
そのような場合は、街の修理屋かメーカーでバッテリーを新品交換してもらうと、
また長時間使用できるようになりますので、ぜひお試しください。
今回はお客様ご自身で充電コネクタに問題があるのではないかとお思いになり、
同様に修理屋さんにご依頼をされたそうです。
結果は基板の問題だと診断されたそうで、当店に改めてご依頼をいただいたとの事でした。
充電に関するトラブルでよくあるのは、
(1)充電がたまるのが遅くなる(バッテリーの劣化の可能性)
(2)ライトニングコネクタの不調で充電されない(ケーブルの劣化の可能性)
(3)ライトニングケーブルの角度を調整しないと充電できない(ライトニングコネクタの不具合の可能性)
等ですが、上記のどれにも当てはまらないため、基板を調査する事になりました。
早速、上下を分割して関連回路を念入りに調べていきます。
今回は発熱も無いため、チップのショートではなく、別の原因がありそうです。
こういった場合は、「考えるよりもまずは手を動かす」ではないですが、
お客様ご申告の症状から判断して、一直線に充電を制御するICチップを交換してみます。
もちろん、事前準備としては周辺回路のチップ類の導通を調べ、電流値も測定して
おおよその当たりは付けてから交換に臨みます。
先の写真を見ていただきますと、71個の足(銀色の丸い突起 ※9×8-1個)が
このICにはあるのがお分かりいただけますでしょうか。
このICチップを外す際は、この足にある半田が溶けるまで約300~400℃に設定したヒートガンを使用して
ノズル口から出る熱風をIC部品目掛けて当てます。
短時間でなるべく効率よく交換しないと、熱自体は部品へ少なからず影響を与えますので、
一番神経を使う場面ではあります。
無事に交換が終わり、パネルとライトニングコネクタだけを繋げて起動させ、
充電器に挿してみるときちんと正常な状態に戻りました!
ちなみに、この時は上側半分の基板だけの状態ですので、きちんと上下を戻してから
再度タッチのテストを行います。
日常の生活範囲での使用でも充電ICが壊れる事はあります。
その際は、あまり長時間の充電は試されなくとも、
10分程度の充電で1%もバッテリー残量が増えないようなら
まずは修理屋さんにご相談いただくのがいいかと思います。
そこで、基板の問題と診断された場合はぜひFIREBIRDまでご相談ください。