iPhoneXR(A2106)落下後タイムラグをはさんで起動不良となった端末の復旧

こんにちは、FIREBIRD修理センターの佐藤です。

今回はiPhoneXRの起動しなくなった端末の復旧をご紹介いたします。

こちらの端末ですが、お客様がおっしゃるには、
「今年の1月中頃に玄関で落としてしまったが、その日は使えていたものの
 翌日朝にアラームが鳴って止めたあとに、しばらくそばを離れたらいつの間にか電源が落ちてつかなくなった。」
との事で、部品交換の修理屋さんに見てもらったら、基板が原因かもしれないとの事で、当店へご依頼をいただきました。

早速調査に取り掛かります。

落下による不具合ですので、筐体のダメージ具合を確認しましたが、
これと言った目立つような傷、へこみ等は有りませんでした。
筐体から基板を取り出し、パネルと安定化電源のみで通電テストをします。

通電した瞬間にかなりの大電流がリークしておりました。
サーモカメラを使用して基板の状態を確認していきます。

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こちらは通電した瞬間の基板上半分の状態です。

SeekwareBlendModeNone

そのまま裏側にひっくり返した時の下半分の状態です。
iPhoneXRの基板は下側にバッテリーの接続コネクタがあり、
通電をすると、すぐに大電流が流れるためコネクタ付近の温度は
46℃(熱い温泉くらいの温度)にもなります。

SeekwareBlendModeNone

こちらは、同じ裏側の上半分の熱分布の状態です。

通電直後に撮ったこれら3枚の基板画像から、
経験とノウハウを元に不具合箇所の範囲を絞り込んで行くと、
特定のラインでの短絡を見つける事ができました。

ラインが特定されれば、故障している部品が見つかるまではあと一歩です。

両面多層基板ゆえ、表裏どこで不具合を起しているかで作業の難易度がかなり違ってきます。

今回は上記写真以外のサーモカメラ画像で順に調査していき、基板故障の原因となっているチップコンデンサーを特定しました。

すぐに故障したチップコンデンサーは処置をします。

そして、ディスプレイパネルと安定化電源で再度起動の試験を行います。

処置前はスリープボタンを押しても何の反応もありませんでしたが、
今はしっかりとリンゴマークが表示しています。

後は普通に起動するかどうかをしばし待ちます。

待ちながら起動時の電流値を監視します。
徐々に起動電流も上がって行き、無事パスコード入力画面までたどり着きました。

タッチ操作も行えた事を確認してひと安心です。
ここまでに掛かった時間としておおよそ60分くらいでした。

パスコードもいただけましたので、動作確認を行いまして、無事お客様の元にご返却手配となりました。

今回のように、iPhoneを落下してすぐに故障するわけではなく、少しのタイムラグ(今回の場合は約1日)が経った後に
症状が現れる事もあります。

起動しなくなったiPhoneのiPhone電源復旧に関するお問い合わせはFIREBIRD修理センターまでお気軽にお問い合わせください。

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